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UtsuYumiko-OutofArk_bookcover.jpg1978年東京都出身の写真家、うつゆみこの初作品集。
せいぶつ写真です。静物と生物。
「キモカワイイ」で「キモイ」の方が強め、「ぐちゃ」「べちゃ」「どろっ」「ねちゃ」という擬音が似合う作品がずらり。生き物や食べ物で「うわ、これ、気持ち悪くない?!」という部分を、少女趣味っぽいトーンで撮っています。その組み合わせにはユーモアが感じられます。
シュバンクマイエルが好きな方には気にして欲しい写真家さんだと思いました。
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Aimee-Bender.jpg不可思議だったり、荒唐無稽だったり、詩的だったりする短編集です。やっぱり短編が好きです。
以前紹介した、リディア・デイヴィスの『ほとんど記憶のない女』とは対照的と言えるぐらい全く違った感触です。野生的と言うか...泥のついたじゃがいもっぽい雰囲気です。生々しくて少し形が歪だったり。ちょうど、じゃがいもが登場する「飢饉」という作品も収録されていますが...。
「オフ」という作品の主人公は、本谷有希子の舞台に出てきそうな、周りに腫れ物扱いされかねないやっかいな感じの女性でした。「マザーファッカー」という作品、私の中ではヴィンセント・ギャロとニコール・キッドマンで映像化されていました 笑。「アイロン頭」という作品は、カボチャ頭のカップルの間に生まれた、アイロン頭の子どもという荒唐無稽だけどちょっと哀しいお話。「主役」という、指が鍵の形をした男の子のお話も結末が好きでした。
ハッピーエンドの作品はなく、ペーソスの濃い短編集です。
オオカミ少女もそうですが、サブリミナル効果という言葉を知らない、サブリミナル効果というものを聞いたことがないという人はいないのではないでしょうか。
しかし具体的な実験内容や結果まで知っているという人もまれでしょう。「テレビで聞いた」とか「なにか本で読んだ」とか、詰まるところ原典不明で「孫引きの孫引き」のような胡乱な出自の知識であるのが大抵ではないでしょうか。

学術的・科学的な裏付けが無く否定されているにも関わらず広く流布している様々な迷信・誤信、すなわち否定されても甦ってくる「神話」を取り上げ、その中身を丹念に検証している本です。
全部で8つの「神話」が取り上げられ、『インドのオオカミ少女・アマラとカマラ』、『サブリミナル効果』もその対象となっています。他には、生まれ育った文化や言葉によって世界の認知の仕方は違うのかという『言語・文化相対仮説』、遺伝か環境かという『双子のデータ』、母親はなぜ赤ちゃんを左胸で抱くのかという『心音説』、計算ができたり手話ができた『天才馬ハンスとチンパンジーのニム』、「記憶」は転移し得るという『プラナリアの学習実験』、行動は条件付けられるという『アルバート坊やの恐怖条件付けの実験』が検証されています。

『サブリミナル効果』について少し引用すると、とある映画館で広告業者ジェイムズ・ヴィカリーによって6週間にわたって行われた「実験」の結果が新聞や雑誌に載っただけで、学会などに(=正式な形で)実験方法・実験データ・論文・報告は発表されていません。
しかし驚くべきことに、有名な「ポップコーンを食べろ」「コカコーラを飲め」というあのメッセージは、5秒おきに1/3000秒だけ画面に提示したというのです。
...あれ?映画って、1秒間に24コマだよね?1956年に、1/3000秒だけ映写できる映写機なんてあったの?しかも普通に映画を映写している映写機と完璧にシンクロさせつつ。それに1/3000秒なんて短時間では閾下刺激ですらなく、そもそも刺激として受け取ることも不可能でしょ...?などの「ツッコミ」が入りまくっています。
つまり、捏造なんです。

サブリミナル効果のように聞いたことがあるものも面白いですが、そもそもの「神話」に触れたことがないものについても興味深いです。


余談ですけど、「1927(昭和7)年のデパート白木屋での火災をきっかけに女性の洋風下着が普及した」というのは、どうやら事実無根のようですね...。信じちゃってました。
こういった「神話」がいつまでも蔓延るのは、「そんなことあるの?」ってちょっと面白おかしいからでしょうね。

『TOPOLOGIES』Edgar Martins aperture

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1977年ポルトガル生まれで現在はイングランド在住の写真家、Edgar Martinsの写真集です。
彼の他の写真集を見た事はないのですが、この写真集は原則無人の風景です。唯一の例外が表紙にもなっている写真です。
しかしこの表紙の雰囲気が好きならば、購入してもそれほど後悔しないと思います。この表紙のような、奥は漆黒の闇で手前の砂浜は特殊なライティングで明るいという作品群がとても良かったです。
全体としても、どの写真も実際に現実にある場所の風景のはずなのに、なんだか現実感が薄いというか夢のような雰囲気です。
私個人の感覚かもしれませんが、Roy Andersonが好きならばきっと好きなんじゃないでしょうか。

サイズは小さいですが、こちらで何枚か見る事ができます。