2005年10月アーカイブ

ギャグなのか何なのか分類しにくい漫画です。関取のような体型をした「トン子」という名のフリーターの女の子が、岡本太郎の芸術に触れ元気になる、という話です。トン子ちゃんは喋ると語尾に「ダス」がつきます。「風もみえるダス!」
The Chemical Brothersのアルバム『Singles 93-03』収録。
曲自体も好きなんですが、PVが面白かったんです。(多分)歌詞とは関係のない映像なんですが。
妄想と現実を行ったり来たりして結局妄想の世界に行ってしまう男、という話です。妄想のなかでうっとりして現実に戻った時、なぜかコピー機に挟まれていたりします。
妄想をふくらませてうっとりしている人って好きです。
タイトル通りの内容です。どの襖絵もすごい。「砂漠」では風の音が、「波」では波の音が、という感じでどの襖絵からも音が聞こえてきそう。なかでも「滝」は静寂と瀑布の轟音が同居しています。
実物を見てみたいなー。
アフタヌーンで連載。全四巻。
設定としてはSFと言っていいと思いますが、「科学的裏付け」のような説明部分はほとんどありませんし実際たいして必要でもありません。「居場所」を探す若者たちの話です。
とある朝、主人公「シロウ」のもとに空から裸の女が降ってきます。「ルーシー」という名の得体の知れないその女に惹かれ、一緒にいるだけで満たされた気分になる「シロウ」ですが、そんな幸せな時間も長く続きません。「シロウ」が「ルーシー」に出会った次の日の晩、「シロウ」はアパートに戻ると友人である住人たちが惨殺されているのを発見します。そして惨殺現場に立っている一人の男。男は「(おれと一緒に)来い」と「シロウ」に言いますが...と、冒頭はこんな感じです。
個人的には「鸚鵡」が「第二の敵」と戦って破れるシーンが好きです。キャラクターでは「ギプス(チャパ)」も好きですね。
この人の作品は(『SMUGGLER』にしても『闇金ウシジマくん』にしても)どこか「青臭さ」みたいなものがあります。
ちなみに連載時と単行本ではラストが違います。たしか連載時は単行本の最後のページはありませんでした。この一ページがあるかないかでけっこう違いますね。

Polkamatic/Vitalic

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アルバム『OK Cowboy』収録。
2分に満たない短い曲ですが、完成された感じです。「かっけえ!」と思って聴いているとあっという間に終わります。
ライオン、ゾウ、キリン、ゴリラ、ダチョウ、ラクダ、パンダ、コアラ、ナマケモノ、コビトカバ、ペンギン、アシカ、ラッコ、イルカをワンルームマンションで飼うにはどうしたらよいのか、そんなときにはこの本です(ただし、イルカに関してはワンルームマンションはさすがに無理なようです)。「一人暮らしも寂しいな...。ライオンとルームシェアしたいなあ」と思ったら、まずこの本を手に取ることから始めてみてはどうでしょうか。
各動物の生態についても学べますよ。
短編漫画集。前回の「気になってた漫画家」とはこの人のことでして。
たしかに『情熱のペンギンごはん』と通じるものもなくはないですが、『情熱の〜』が徹底したナンセンス志向だったのに対してこちらはそうではないです。なんというか、徒然としたそこはかとない短編で構成されています。人によっては「何が言いたいのかはっきりしない漫画だなオイ!」となるかもしれません。
帯に『「お母さん、東京でおれよりも頭がへんな人見つけました!!」長尾謙一郎(漫画家)』とあったのに笑いました。
アルバム『Time Out』収録。
言わずと知れた名曲。誰でも一度はどこかで聴いたことがあるはず。Paul Desmondのアルトサックスにうっとりおっとり刀。
Blue Rondo A La Turkもいいですよ。
フランスの詩人、アンリ・ミショーの全集の第一巻。
詩集『わが領土』の「おれの仕事」を読んで惹かれました。「詩」に分類されていますが、読みやすさは小説などと変わりません。「超短編」ぐらいに思って読めます。とは言ってもまだ全部読み終わってはいないのですが。紹介しやすいのを一つだけ。『わが領土』の「詩篇」から「文学者」を。


文学者

ひとりぼっちで、
おのれのパンを誰にも依存せず、
またさらに、おのれの語ることをおのれの納屋の中に入れ、
すべての割れ目から放屁する。
塊をなし、刀身のようで、噴出し、そうして結晶状で、
だが、おのれの言葉の壁の後ろにいて、
そいつは大つんぼだ。
「シュール」と言うよりも「ナンセンス」な漫画。だから笑えない。
気になってた漫画家の対談の中でこの本のことが出てたから買ってみたのです。
テナーサキソフォンによるバッハ無伴奏チェロ組曲。『CELLO SUITES 1・2・3』と『CELLO SUITES 4・5・6』の二枚。
吹奏楽器が好きなのでこのCDを持っていることに幸せを感じます。石切場や無人のコンサートホールや鉱山の中など変な所でレコーディングしているせいか残響がやたら気持ちいいです。Suite No.4 Gigueがお気に入りです。昔、CMでも使われていました。
サックスが好きなら須川展也の『Exhibition Of Saxophone』もいいかもね。
Julian Opie, Essay by Daniel Kurjakovic. Hatje Cantz Publishers.
Julian Opieは、Blurのベスト版のCDジャケットのイラストを描いた人、と紹介した方が分かり易いと思われます。
『Portraits』とあるように肖像画集ですが、「顔のイラスト集」と言っても良いかと。ぶっとい輪郭線にまん丸お目目、鼻の穴はスイカの種のようで、Blurのジャケットのあの調子のあっさりとした顔が描いてあるだけです。イラストレーターでササッと描いたような感じ。
でもこの感じが大好きなんです。
ビックコミックスピリッツで連載。全五巻。
他人にシンクロしその人の記憶を操作できる能力者という設定とその能力のヴィジュアル化が抜群に面白かった作品。特に記憶操作そのものの前提となる「記憶」と、加えて人格に関する設定が類を見ないと思います。
具体的にどういう設定かというと、まず人は「ヤマ」と「タニ」と呼ばれる記憶を持ち、「ヤマ」とはその人を支える記憶であり、すなわち人生最良の思い出のことで、「タニ」とはその人を痛めつける記憶すなわち人生最悪の思い出のこと。そして「ヤマ」と「タニ」は必ずセットであって、「ヤマ」だけしか持たない人や「タニ」だけしか持たない人は(特殊な場合を除き)存在しません。そして「ヤマ」か「タニ」が壊されると人格そのものも崩壊してしまいます。というのも「ヤマ」と「タニ」がその人の人格の礎となっているからです。そして能力者たちは「ヤマ」や「タニ」といった「記憶の場所」に「イメージ」を使って出入りします。
「ヤマ」と「タニ」という記憶の存在を設定することも面白いですが、記憶と人格の間に明確な繋がりがあるとしている点が現実的で良いと思います。
ストーリーは、「林」という能力者と「林」に育てられた「司」と「悟」、さらに「司」に育てられた「ヒロキ」を中心に進んでいきます。「司」「悟」「ヒロキ」も能力者で、「林」も含め全員が「会社」(=中国マフィア)に飼われ、その能力を活かした仕事をさせられています。そして「会社」のやり方に嫌気がさした「林」が「会社」から逃げ出そうとして...となっています。
登場人物の中では「司」が一番気に入っています。複雑な人物で、しかし生々しい。

Emotion 98.6/Mylo

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アルバム『Destroy Rock&Roll』収録。
この曲を聴くと、1999年8月18日水曜日の夕方見ていた景色とその時の気分を思い出します。条件反射のように。全くどういう訳か分かりませんが。このアルバムが発売されたのも2004年なんですけど。
離島での住み込みのバイトも残すところあと二日で、夕方の休憩時間に展望台から隣の島をぼーっと眺めていたんです。展望台というか芝生が生えた単なる開けたところで、そこでゴロゴロしてました。お盆過ぎてめっきり来島者も少なくなって、通りで人とすれ違うことさえ少なくなり、展望台にも誰もいなくて。その夕暮れ時の日差しを思い出して仕方ないんです。
サイズから生き物を考えてみると色々面白いことが分かる、という本。
一つ紹介するなら、色々な哺乳類で体重と時間とを測ってみると次のような関係があるそうです。「時間は体重の四分の一乗に比例する。」例えば体重が16倍になると寿命は2倍になる、ということです。「時間」と表現したのは、寿命だけでなくおとなのサイズに成長するまでの時間や赤ん坊が母親の胎内に留まっている時間、さらに息をする時間間隔や心臓が打つ間隔、血が体内を一巡する時間など、時間が関係する非常に多くの現象に当てはまるからだそうです。
また、ネズミは数年、ゾウは百年近い寿命をもつが、(哺乳類はどの動物でも)一生のうちに心臓は二十億回打つんだそうです。心臓の拍動を基準に考えるなら全く同じ長さだけ生きて死ぬことになるというのです。
まあ、この本に書いてあるのは上のようにどれも日常生活において役立つ知識ではないですが、なかなかおもしろいです。
「映画・映像」はあまりネタがなくなってきたのでしばらく休みます。しばらくは好きな漫画についてだらだらと。では一冊目。
「性燐光芸者」となぜか一発変換される青林工藝社。そのことに何の意味もありません。
「アックス」なる(多分)隔月誌で連載中。肝心の中身はと言えば、「正義隊」なる組織が数々の「敵」を倒すという粗筋ですが、絵柄・展開とも圧倒的と言う他ない作品。読む者に有無を言わせぬ迫力。この作品の存在に憧れすら感じます。
アルバム『Ancient Future』収録。Light Yearsは他にもバージョンがありますが、このアルバムに収録されているものが一番好きです。
現在、再生回数の伸びが一番の子。この子は育つわよ。穏やかないい子だわ...。
メキシコで活躍した建築家、Luis Barraganの手掛けた「バラガン邸」「プリエト邸」「ガルベス邸」「サン・クリストバル」「ギラルディ邸」を豊富な写真で見ることができる本。
「バラガンと言えばショッキング・ピンク」というぐらい強い印象を与えるショッキング・ピンクの壁や、ダイニングに小さなプールがある(ギラルディ邸)、といったところに興味が湧きました。壁一面がショッキング・ピンクだとか、ダイニングで子供がプールに入っているのだとか、見たことないな...と。
しかしどの邸宅も決して奇を衒った感じではありません。素朴で温かいです。こんな家に住みたいですが、よく見りゃどの邸宅も大きい...。関係ないですが、最近近所で元々一軒の家が建っていた土地に四軒家が建ってびっくりしたんですよ...。

CITY OF GOD

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Fernando Meirelles監督作品。
この映画に描かれているような状況が現実のものだと知ったら、「日本に生まれて良かった...」と思わずにはいられません。
こんな街では毎日生きた心地がしません...。

オドレミ/NIRGILIS

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アルバム『テニス』収録。
「エレクトロ・ポップ」とでも言いましょうか。
『HIGHVISION』の頃のSUPERCARが好きならこれも大丈夫と個人的には思ってます。SUPERCARより明るい感じですが。
「ハッとしてグーでモンキー ワ・ガ・マ・マ」などとよく分からない歌詞ですが、むしろそこが好きです。
ニヤニヤしながら立ち読みするのはいかがなものかと、買って帰ることにしました、今日。短歌・詩集です。
気に入ったのをてきとうに紹介しますと
「ランニングシャツのおやじが中華鍋死ぬほど叩く宇宙通信」
「UFOにさらわれたという老人がテクノカットになりて還りぬ」
「一秒に16回もベルが鳴り高橋名人来訪を知る」
読んだ瞬間声を上げて笑ったのはこれです。
「飛びたがる赤ちゃん鳥の前に立ちジュディ・オングが羽根をひろげる」

Dr. Strangelove

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Stanley Kubrick監督作品。正確には『Dr. Strangelove Or: How I Learned To Stop Worrying And Love The Bomb』、邦題『博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』です。
面白いです。笑えます。お薦めです。『2001年』のような難解な映画をつくり、しかしこんな映画もつくるとはすごいですKubrick。
時は東西冷戦時代、アメリカの戦略空軍基地司令官がいきなりソ連への水爆攻撃を命令します。ソ連との全面戦争を避けるため、爆撃機を引き返させようとアメリカ大統領と国防省は対応を取りますが...。
まさに人類存亡の危機という緊迫した状況のはずではありますが、随所に挟まれる小ネタに思わず吹き出します。対応策を協議する緊迫した会議の場面で将軍のもとに愛人から電話がかかってきたり、電話で会談するソ連の首相は酔っぱらっていたり(そのおかげで大統領は危機的状況について子供を相手にするように話さざるを得なくなります)...など、「う、うまい!」と唸ります。話の展開にもそれほど強引なところもありません。
個人的には戦略空軍基地司令官の頭のおかしくなり方が好きです。本人は極めて本気です。
Robert Schumann作曲。アルバム『Great Pianists of The 20th Century 42 Ingrid Haebler』収録。
「子供の情景 作品15 第10曲 むきになって」のことです。Argerichのも聴きましたが、Haeblerのでなくてはダメです。
深夜三時頃に聴いてると涙を出したくなるんです...。
ただ一つの基準・観点からでなく物事を色々な側面から相対的に捉えることは、当たり前ながら重要だと思います。このような態度・考え方を少し押し進めて、雑にですがまとめて、「相対主義」と呼ぶことにします。つまり「物事の価値や真偽や善悪などはそれを捉える基準や観点によって変わる相対的なものであり、唯一絶対の価値・真理・正しさなど存在しない」という考え方です。
色んな人がいて色んな価値観があるこの世の中ですから、この考え方を真っ向から否定する人は少ないんじゃないかと思います。程度の差こそあれ、相対主義的な考え方をする人が多い気がします。ここで、相対主義と対立する考え方を「絶対主義」と呼び、「(基準や観点に依らず)唯一絶対の価値・真理・正しさは存在する」という考えとしてまとめてみます。
この「相対主義」対「絶対主義」の構図は、(特に宗教や哲学の)歴史を鑑みてみれば、それこそ何千年も前からあるお馴染みのものです。
ところで、こういった構図を見ていて少し疑問に思ったことはないですか?「相対主義」とは、物事の価値や真偽や善悪などはそれを捉える基準や観点によって変わる相対的なものであり、唯一絶対の価値・真理・正しさなど存在しないことを「唯一絶対の真理」として主張しているのではないか、と。「唯一絶対の真理」を主張しているのだから、「絶対主義」ではないのか。では「相対主義」の主張はいかにして可能になるのか。
このような疑問も持ったことがある人に『相対主義の極北』をお勧めします。とても面白い本です。前もって知識がないと読みにくい、ということもあまりないと思います。

ALIEN

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Ridley Scott監督作品。けっこう好きな監督なんです。
最近は「エイリアンもの」というとどこかB級の香りがしますが、これは一級のサスペンス・ホラー映画です。細かいところではタイトルの現れ方が洗練されていて好きです。
監督のオーディオ・コメンタリーが面白かったのでDVDを購入しました。また、特典映像として収められている「カットされたシーン集」の中にはかなり重要なものもあります。「ここがカットされていなかったら、続編は確実に今ある形ではなかった」というほど。
H.R.Gigerによるエイリアンのデザインも、数ある「エイリアンもの」のなかで最もかっこいいし完成されていると思います。
ちなみに、漫F画太郎の『道徳戦士超獣ギーガー』のギーガーという生物はエイリアンのパクリに違いないと思います。さらに、H.R.Gigerは『キラーコンドーム』というB級映画(殺人コンドームの話)のクリーチャー・デザインもしてます...。
アルバム『split』収録。
シンプルでありながらドラマチックなイントロにぐっと引き寄せられます。さらに歌詞が面白い。最初の部分をちょっとだけ載せますと...
He lives his life in a world full of women And he takes what he wants from their love And he throw the rest away...
何この世界?「彼」がうらやましいかも...などとのんきに考えてもいられません。この後歌詞は絶望と諦念に満ちてきます。「彼」に捨てられ、(たぶん友人であろう)「彼女」も我慢ならんと去ってしまい、一人取り残された「私」は(歌詞から類推するに)命を絶ちます。
今際のきわに「私」が見たのがlight from a dead starなのでしょうか。
メキシコの作家フアン・ルルフォの作品で、ラテンアメリカ文学最高傑作の一つと言われています。映画のためのプロット『黄金の軍鶏』を除けば、ルルフォは短編集『燃える平原』と長編『ペドロ・パラモ』の二冊の著作しか残しませんでした。それらを三十代半ばに書くと後は何も発表しなかったそうです。
夫人のクララ・アパリシオの言葉に強く興味をひかれたので手にとりました。ルルフォは何度も新しい作品に取りかかっては原稿を破り捨て、「また『ペドロ・パラモ』になってしまったよ」と呟いていた、とのことなのです。
『ペドロ・パラモ』は原書でわずか百ページほどのものだそうです。しかしその百ページに自分が書くべきもの全てをつぎ込んでしまったかのように囚われ続けた、というエピソードが壮絶です。創造・表現したいものを自分の中に持つことの幸せと哀しさについて考えさせられます。
Ridley Scott監督作品。
言わずと知れた名作。初めて見たのはディレクターズカット版ではなく、劇場公開版のビデオでしたが。
宇宙植民地から逃亡し地球に密航してきた人造の人間たち「レプリカント」と、それを追う刑事「ブレードランナー」...こう書くとレプリカント=悪側、ブレードランナー=正義側と想像されがちな対比ですが、後半になれば確実にレプリカントに共感しています。特にレプリカントのリーダーとの対決のシーンのラストは鳥肌が立ちます。そして映画ラストでの同僚の粋なはからい...かっこいい。
Vangelisによる音楽も好きです。映画のDVDより先にサントラを買ったぐらいで、聴いているうちに「映画も買うか」と。

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