発行元はタッシェン・ジャパン、発売元は洋販となってます。
「1808年から今日までの椅子デザインをテーマとし、(中略)実に1000点以上もの椅子写真を掲載する」と裏表紙にあります。イームズ夫妻の椅子など有名なものからそうでないものまで色々載ってます。パラパラ見て「これいいな」とか言ったりするための本です。
緒方明監督作品。
新聞での紹介が気になっていて観ました。監督は「人の思い」を撮るために、表情を消してしぐさや動き、佇まいで表現するよう俳優たちに要請したそうです。「気持ちを表情で表現することを禁じ、所作だけで表現させる」という演出に興味と共感を持ちました。感情の機微を主題としているのに、「悲しい表情をして悲しさを表現する」などという演出で機微を捉えられるとは思えませんから。
ストーリーはと言うと、未だ独身で一人暮らしをする50歳の大場美奈子は早朝に牛乳を配り、昼にはスーパーのレジ打ちをする毎日。自分が生まれ育った町で今も淡々と生きている。牛乳の配達先には、高校時代の恋人だった高梨槐多の家もある。高梨の妻の容子は病気で寝たきりであり、余命わずか。高梨がかいがいしく世話をしている。そんなある日、容子は夫と美奈子の縁を知り...という話。
ここから先はネタバレで話します。嫌な人は読まないで下さい。このあとストーリーがどう展開していくかというと、その後容子は夫と美奈子が胸の内では今でもお互いに想い合っていることを察します。そして遺言として槐多と美奈子の二人に、自分の死後二人一緒に暮らしてくれと頼みます。槐多も美奈子もお互い胸の内に気持ちを封じ込めて生きてきただけに、素直には従えません。しかし容子は亡くなり、容子の思いを尊重し向かい合う二人。気持ちを封じ込め、淡々と生きるのをよしとしてきた二人ですが、押さえ続けてきた二人の気持ちは溢れ出し、二人はついに結ばれます。しかし翌日槐多は事故で命を落とします(こう書くと漫画並にベタな展開ですね)。
さて映画のタイトルが「いつか読書する日」となっていますが、これは美奈子の家にたまっていく大量の未読の本のことを指しています。牛乳配達とレジ打ちで疲れ、なかなか読み進められずたまる一方になっていく本。美奈子の母親の友人で、美奈子を見守る作家の皆川敏子は、槐多が死んだ後「これからどうするの」と美奈子に問います。すると美奈子が言うのです。「本でも読みます」
「本でも読みます」この台詞に鳥肌立ちました。と言うのも、この時思ったんです。たまっていく一方の大量の本というのは、今までずっと押さえ込んできた、美奈子の槐多に対する気持ちの象徴だったのではないかと。読みきれないでいる本と、槐多に対する思い。槐多の死後、きっと美奈子は今までとさほど変わらず淡々と生きていくのでしょう。しかし「本でも読みます」と言う台詞は、槐多に対する思いが昇華したことの表れのような気がします。
そんな風にも考えられて、「脚本がいいなあ」と思った作品でした。おばさんとおじさんの恋愛ものという地味な映画ですが、良かったです。
アルバム『On The Ropes』収録。
イギリスの二人組Mint Royaleによる、ジャケット・イラスト通りのかわいらしくてハッピーな感じ。女性のヴォーカルが入っているんですが、女の子にDon't Falterと言われちゃ黙ってられませんよね!
いわゆる「ビッグ・ビート」なのでFatboy Slimが好きならこれも余裕の守備範囲内です。
この本に載っている「くらえもん」という作品が好きです。6ページのパロディものですが、この作品のためにこの本一冊買ったようなものです。
内容はというと...強烈な嵐の夜、閉め忘れた二階の雨戸を閉めにいく野火太くんに、くらえもんは背後から強烈なボディプレスをかけます。額から血を流しながら「どうしたんだい」と問う野火太くん。するとくらえもんが言うのです。「いっしょに死のう......」
続きは内緒です。
アメリカの作家ポール・オースターがNPR(全米公共ラジオ)のラジオ番組上で一般の人々から物語を募集しました。彼が朗読するためです。「物語は事実で、短くないといけないが、内容やスタイルに関して制限はない」という条件で集められました。この本はそうして集まった実体験(実話)集です。「事実のアーカイブを、アメリカの現実の博物館を作れたら」という狙いもあったそうです。
鳥肌が立つような恐るべき偶然、笑ってしまうような間違い、泣けるような良い話など、色々あります。「誰かがこの本を最初から最後まで読んで、一度も涙を流さず一度も声を上げて笑わないという事態は想像しがたい」とオースターも言っています。
個人的には『ブロンクス流どたばた』という話の次の部分で吹き出してしまいました。まあここだけピンポイントで引用しても経緯が分からないので笑えるかは疑問ですが...興味がわいたら読んでみよう!
「僕は走って、通りを渡る。すると、アルがゴルフクラブとゴルフセーターを持って家の前に立ち、子供たちにどなっている。『水を止めろ!トイレを流すな!母さんが一階で、テーブルに乗ってシャンデリアと屋根を両手で支えているんだぞ!』」
これ、実話だってんだからねえ。
teevee graphics/NAMIKIBASHIによる映像作品集。一応監督はteevee graphicsとなるでしょうか。
teevee graphicsとラーメンズ小林賢太郎のユニット、NAMIKIBASHIプロデュースの作品はやはり面白いです。片桐仁もちゃんと出演してます。『BATH JACK』とか。
前作VIDEO VICTIMは個人的にはちょっと期待外れだったんですが、VIDEO VICTIM2はNAMIKIBASHIの作品にしてもグラフィックデザイン的な作品にしても良いです。まあでも前作の『backdrop』が一番好きかも。意味わからん。
Nikakoi名義での『Sestrichka』『Shentimental』、Erast名義での『Goodair+Minimissing』『Cyberpunk』のどれも素晴らしい。グルジア共和国出身のNika Machaidze(ニカ・マカイゼ)さんです。もろにIDMです。
Richard D. James御大並の才能の持ち主ですな...。個人的にはErast名義の時の方が好きです。Georgianintokyoが最強です。
(たぶん)書き下ろし。
三人の男が列車に乗り、車内を移動し、席に座り、景色を眺めるなどして目的地に着くまでの話。
全部で約200ページ、セリフはいっさい無く(ただの一つも)、独特の絵と相俟って極めてシュール。「作者がギャグとして意図したシュール」でも「読者が(作者の意図とは違っても)ギャグとして理解できるシュール」でもないシュールですので、こういったシュールが受け付けられなければ読むべきではないでしょう。退屈なだけです。
もし受け入れられるなら、「列車体験」とでも言えるような不思議な読書感覚が得られると思います。個人的には、よく「ガタンゴトン」と表現される列車の走行音やそういったリズムが感じられました。変わったマンガだ。
ちなみにフランス版が先行発売されるほど海外での評価も高いようです。
宮沢章夫。劇作家・演出家・作家、らしいです。私はこのエッセイ集でしか知りません。
好き勝手に妄想を膨らませたエッセイです。電車の中で読むと危険です。ニヤニヤ笑って、たまにブフー!と吹き出してしまいますから。
例えば「ペアレンツ」と題されたものを少し取り上げてみます。
「(前略)そこで気になるのが、ペアレンツだろう。各宿泊施設のマネージャーともいうべき人たちのことを、ユースホステルではこう呼ぶ。ユースホステルに到着するとその人たちの笑顔に迎えられるのだ。そしてペアレンツは言うだろう。
『私たちが、ペアレンツです』
もしかすると、私ならすぐに引き返すかもしれない。なにしろ、ペアレンツだ。その瞬間から、その人たちを、『お父さん』と呼ぶべきなのだろうか。寝るときには、『お父さん、お母さん、お休みなさい』ときちんと挨拶をしなくてはいけないのだろうか。
それでこそ、ユースホステルだ。(中略)
長野県の戸隠高原横倉ユースホステルのペアレンツ、横倉英起の趣味もどうなのだろう。
『忍法』
戸隠高原横倉ユースホステルにつくと、まず近くにある池に注目しなくてはならない。もし、水面から筒が出ていたら、それは水中に身を潜める横倉だ。そして水中から突き出た筒に驚いていると、突然、ざばざばざばと水の音がし、横倉が出現するのだ。忍者姿である。そして、横倉は言うのだ。
『私がペアレンツです』
部屋にいてもおちおち落ちつくこともできないのではないか。ふと気がつくと、天井に、横倉がはりついているかもしれない。天井にはりついた横倉が言うだろう。
『私がペアレンツです』(後略)」
気に入ったら読んでみて下さい。
Roman Kachanov ロマン・カチャーノフ監督作品。
いやーこれは人形アニメの傑作ですよね。動きも良けりゃ話も良い。ほのぼのします。バイト代をはたいてしまいましたよ。
犬が欲しくてたまらない女の子が、自分の毛糸の手袋を子犬に見立てて遊んでいると、手袋が赤い子犬になって...という話です。多分これは子供より大人の方が観てグッとくると思います。童心を思い返すような。
余談ですが、The Nightmare Before Christmasも良いです。が、あのディズニー得意(特有?)のミュージカル的部分が好きではないんです。子供の頃から「何でいきなり歌って踊りだすんやこいつら!」ってどうしても感じてしまって...。「例えどれだけ感極まったとしても、歌って踊り出すなんて相当自分に酔ってるな」ってね...いや、偏った個人的な意見です。
アルバム『The Electricity In Your House Wants To Sing』収録。
タイトル通りよく眠れそうな癒し系エレクトロニカもしくはIDM。前作『Grace Days』もいいですの。Rei Harakamiのような穏やかな感じが好きならツボにくるはず。