2008年2月アーカイブ

Daniel Clowes著、峯岸康隆編集、伯井真紀翻訳。プレスポップギャラリー。
邦題『鉄で造ったベルベットの手袋のように』
「不条理」以外に何と説明したものか...という内容のマンガです。
主人公が場末の汚い映画館で、変態的な映画『LIKE A VELVET GLOVE CAST IN IRON(鉄で造ったベルベットの手袋のように)』を観ていると、ある日突然自分のもとを去った彼女が出演しているのを認めます。
そこで主人公は彼女を探す旅に出かけます。
その映画について調べて彼女に会おうと、友人の家に車を借りに行ってみれば友人の目にはエビが刺さっており...ともうのっけからすごい。数奇な運命に導かれ奇妙な人々に遭遇する旅の結末は果たして。
LIKE A VELVET GLOVE CAST IN IRON.jpg

タイトル通り、映画『ブレードランナー』を読み解く論考。
あとがきに「本書はいまのところ世界で最も網羅的な『ブレードランナー』論である」「本書は作品論であると同時に映画技法論である。映画史論であると同時に映画理論である」とあるのも納得の読み応え。「もっぱらテクスト論的立場から解きほぐして」ゆきます。
この本ではディレクターズカット版ではなく、1982年の公開版(「プロデューサーズカット」)を分析対象としています。「監督がかならずしもプロデューサーよりも賢明な選択をするわけではないということの歴史的証左ともなる」と述べて、その理由も明らかにされてゆきます。
さらに、映画を観ての私個人の感想も交えて言うなら、「デッカードははたしてこの映画の『真の』主人公と言えるのだろうか」「ロイこそが『真の』主人公ではないのか」と感じた人なら、この本を読んでその直感に論拠が与えられてゆくことが楽しいかもしれません。
10本の映画をただ観るよりも、『ブレードランナー』とこの本を読むほうが映画についての勉強になるかもしれません。そのぐらい『ブレードランナー』という映画を色々な角度から徹底的に解剖し、様々なことに言及してゆきます。
BladeRunner_Katou.jpg

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